耳鳴りと耳垢の意外な関係とは?正しい耳ケアの方法を確認しましょう

耳の中も汗をかくことをご存じですか?その汗のせいで耳がかゆくなることがあります。そんな時、多くの方は「耳掃除をしよう」と思うのではないでしょうか。しかし、間違った方法で耳掃除をすると、逆に耳あなに耳垢が詰まり、時には耳鳴りや外耳炎などの様々な問題が起きてしまうことをご存じでしょうか?

耳掃除は必要?→タオルで拭く程度で十分です

耳の入り口には、柔らかい毛(耳毛)が生えています。耳垢は、耳毛の根にある皮脂腺、耳垢腺からの汗や、はがれ落ちた皮膚のかけら、さらに外から侵入してくるホコリやゴミが混ざり合って作られます。耳垢には耳の中の洗浄や潤滑を助ける作用があり、普段の咀嚼やあくびなど顎の動きによって自然に外に出る仕組みになっています。

そのため多くの人は、耳掃除はそれほど頻繁に行う必要がありません。お風呂あがりに耳あなの入口を優しく拭く程度で十分です。奥の耳垢が取れないと思われるかもしれませんが、奥の耳垢は数週間で手前に出てきますから、その時に耳あなの入口で取れば大丈夫です。

耳垢が耳鳴りを引き起こすことも

無理に耳あなをこすったり、奥まで綿棒等を入れたりすると、耳あなの皮膚を傷つけてしまうことがあります。さらに耳垢を逆に奥に押し込んでしまい、耳の穴が詰まる「耳垢栓塞(じこうせんそく)」を引き起こすことがあります。

耳垢栓塞になると、音が聞こえづらくなったり、時には深刻な耳鳴りを引き起こしたりする可能性があります。他にも痛み、耳のうっ血、めまいが発生することもあります。

カビが生える!?不適切な耳ケアが引き起こす他の問題

汗をかく季節は、温度と汗の影響で耳の中が高温多湿の状態になりがちで、菌(細菌)が繁殖しやすくなります。また、耳の中の皮膚は非常にデリケートで、耳かきや爪で簡単に傷ついてしまいます。その傷に菌がつくことで、「外耳炎」になることもあります。

 

さらには、カビ(真菌)も高温多湿の環境を好みますので、傷のまわりにカビが発生することも。カビが原因で引き起こされる耳の病気は、「外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)」といいます。場合によっては繁殖した真菌の塊が鼓膜を覆ってしまい、強い痒みや聞こえにくさ、耳が詰まったような感じが現れます。

また耳鼻科の先生によると季節に関係なく、「イヤフォン」を長時間使用して耳の中が高温多湿になり、耳あなに炎症が起こる、ということが増えているそうです。イヤフォンの使用時間や使用環境には気を付ける必要がありますね。またイヤフォンやケースを清潔に保つことも重要です。

耳の痒みや痛みが続いたり、閉塞感を感じたら、耳鼻科を受診しましょう。

不適切な耳ケアによる「外耳炎」についてはこちら

 

 補聴器を使用する場合の耳ケア

補聴器を使用している場合は、耳ケアの事情が少し変わってきます。

耳の中に物を入れることになる補聴器は、耳垢が外側に移動するのを止めてしまいます。ですから、補聴器を着け始めたら耳垢が増えた、と感じる人もいます。補聴器を使っている人は、もう少し頻繁に耳のお手入れをする必要があります。

耳にたまった耳垢が、補聴器の音の出口を詰まらせる可能性もあります。そうすると、音が小さくなったり音質が変わったりして、補聴器が壊れたと誤解してしまうこともあります。また、耳垢に含まれる成分が補聴器のデリケートな部品を劣化させ、補聴器が正しく機能しなくなる可能性があります。補聴器は毎日柔らかい布で拭くなどして、汚れをためないように心がけましょう。

また、補聴器には耳垢侵入を防ぐために耳垢プロテクターというものがついています。これは定期的な交換が必要ですので、補聴器販売店で変えてもらいましょう。

 

もし自分の耳垢の状態はどうなのか、耳掃除が必要なのかで迷う時は、耳鼻咽喉科の先生に相談し、必要に応じて耳を掃除してもらうことをお勧めします。

 

補聴器装用者の耳垢対策


 耳に症状があればまず耳鼻科へ 

耳の不快感や耳鳴りに悩んでいる場合は、自分で耳ケアせずに、まずは耳鼻科の診察を受けてください。特に耳鳴りには様々な原因があり、また治療法にもいろいろなものがありますので、必ず専門医による診断を受ける事が重要です。

耳鳴り治療には補聴器による治療方法もあります。耳鳴りについて、また補聴器での治療についてなど、シグニアのホームページでも様々な情報をご提供していますのでぜひご参照ください。


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