どうして日本人にとって英語は聞き取りにくいの?加齢による英語の聞き取りへの影響は?

近年はグローバル化に伴い、仕事のために英語を学ぶビジネスパーソンが増えています。また、シニアの習い事ランキングでも「英語学習」が上位になっています。しかし一般的に日本人は外国語習得が苦手だといわれています。それはなぜでしょうか。また、聴力の衰えも英語のリスニングに影響を与えていますでしょうか。

日本人にとって英語を学ぶ難しさはどこにあるのか?

国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施した「英語学習の実態と意欲」に関する調査では、全体の53.6%の被調査者が「英語が好き」と回答したにもかかわらず、69.0%は「英語が苦手」と回答しています。英語学習が苦手な日本人が多いようですね。英語を学ぶ難しさはどこにあるのでしょうか?

国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の調査結果

 

 言語によって主に使う周波数帯が違う

音声医学を専門にしていたフランス人のアルフレッド・トマティス博士は、世界中の言葉を分析し、言語ごとに主な周波数帯が違うことを発見しました。 この周波数帯は言葉の「パスバンド」と呼ばれています。イギリス英語の発音が2,000~12,000Hzの周波数帯にあるのに対し、米英語が750~5,000Hz、日本語は 125~1,500Hzです。


つまり、英語は短い子音を強く発音するため、話し言葉が高い周波数になるのに対し、日本語は母音が多いので、低めの周波数になるということです。この言葉の周波数帯のギャップが大きいため、日本人が普段聞き慣れない周波数帯の英単語や発音が聴き取りにくいとされています。

たとえば、日本語の成り立ちとしては「子音+母音」となっています。そのため、母音が多く音が低くなります。
か=k+a
さ=s+a

 

それに対して、英語の中では「system(sístəm)」のような母音が少なく子音が連続になっている単語もあり、子音が言葉を構成していることが多いため、音が高くなります。

 

加齢による聴力低下が与える影響

また、加齢による聴力の低下も英語の聞き取りに影響します。赤ちゃんは生後6~8か月くらいまでは、あらゆる言語を聞き分ける能力があると言われています。しかし、聴力の低下は30代からすでに始まっており、加齢により難聴が進むと、特に高音から聞こえづらくなり、聞こえる音が減っていきます。例えば英語の場合、日本語よりも多くの子音が使われていますが、年を取るにつれて、「th」、「s」など比較的高い周波数帯にある音の聞き取りが難しくなります。

 

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補聴器と英語の聞き取り

職場での外国語によるコミュニケーションが増えている中、海外出張や海外との電話、WEB会議など、英語のコミュニケーションが必要な時だけ補聴器を使うビジネスパーソンもいるようです。補聴器は聞きにくくなった高い周波数を聞き取りやすくしてくれます。聴力の衰えを感じたら、補聴器で低下した聴力を補正して聞き取りやすくするのも手段の一つです。自身の生活環境の中で、聞こえに困った場面があったら、耳鼻科に受診した上、補聴器を試してみてはいかがでしょうか。


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