大半が治療可能?難聴の種類その二 伝音性難聴

「難聴」とは聞こえにくい状態のことを指しますが、聞こえにくいという症状の中にも、実は様々な種類があり、対処方法も異なります。難聴は大きく分けると、「伝音性難聴」、「感音性難聴」、「混合性難聴」の3つ。難聴の中で、治療により治る可能性のある伝音性難聴をご紹介します。

「難聴」とは聞こえにくい状態のことを差しますが、聞こえにくいという症状の中にも、実は様々な種類があり、対処方法も異なります。難聴は大きく分けると、「伝音性難聴」、「感音性難聴」、「混合性難聴」の3つ。難聴の中で、治療により治る可能性のある伝音性難聴をご紹介します。

伝音性難聴とは何か?

伝音性難聴は、「外耳」や「中耳」になんらかの障害があることで起こります。耳に入った音は外耳道を通って鼓膜に伝わり中耳に導かれます。耳の奥に音を導いたり、鼓膜や骨が震えたりして、物理的に音を伝達していきます。この経路のどこかに障害がある場合、音の伝達が悪くなるので聞こえにくくなります。耳栓をしたり指で耳を塞いだりして周りの音を聞くと、伝音性難聴の聞こえに近い体験ができます。

伝音性難聴の原因

伝音性難聴の原因はさまざまです。主な原因は下記の通りです。

  • 外耳道に詰まっている耳垢や異物
  • 外耳や中耳での炎症
  • 良性腫瘍
  • 先天性あるいはけがによる外耳道の奇形
  • 病気やけがによる鼓膜の損傷、中耳の骨の破損

中でも一番多いのは、耳垢の蓄積と耳の感染症によって引き起こされるものです。

伝音性難聴の症状

伝音性難聴は、高齢者によくあるような特定の高さの声が聞こえにくく、言葉の聞き分けが難しい感音性難聴とは異なります。伝音性難聴の場合、まるでテレビのボリュームを下げたかのように、 普通に聞こえていたはずの音や声が小さくなります。音を分析し聞き分ける内耳は正常に機能しているため、大きな声で話しかけられれば、内容を聞き取れることが多くあります。また、多くの伝音性難聴は、耳鳴りや耳の閉塞感等の症状が伴います。


感音性難聴についてはこちら

伝音性難聴の対処方法

伝音性難聴は音を聞き分けて聴神経に伝える内耳には障害がないため、医学的な治療をすることで改善が期待できるといわれています。

例えば、単純に耳垢の詰まりがある場合、耳鼻咽喉科医がすぐに取り除いて簡単に治療することができます。ただし、自分で耳垢を取り除こうとしないでください。鼓膜を傷付けたり、耳垢を奥に押し込んだりしてしまう可能性もあるのです。

また、外耳道炎、急性中耳炎の場合、一時的な症状であることも多く、薬物投与などで改善できる場合が多くあります。何らかの原因で鼓膜に穴があいてしまっている場合は、鼓膜を形成する手術などで治療することが可能です。

補聴器が有効なケースも

伝音性難聴は、医学的に治療しても難聴が残る場合、補聴器を使用し音を増幅することで言葉の聞き取りは大きく改善されます。逆に難聴を放置したり、不適切に扱ったりすると症状がひどくなる場合があります。「ちょっと聞こえにくいかも?」と思ったらまず、一度耳鼻咽喉科医に相談されることをお勧めします。補聴器の装用が役立つと判断された場合は、専門的な補聴器販売店にご相談ください。

 

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