
見逃さないで! 難聴の兆候を確認しておきましょう
後天的に難聴になる場合、自分の生活が大きく影響されるようになるまで、本人がその兆候に気づかないことがあります。体型や視力の変化とは違って、難聴は自覚しにくいことが多いのです。それはなぜでしょうか。
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聞こえについて
補聴器について
難聴への誤解
ホント??「難聴とは、すべての音が聞こえにくいこと」
それはまったく事実ではありません。難聴は近視のような症状とは異なり、一律に「大きな音は聞こえて小さな音は聞こえなくなる」というものではありません。難聴にはさまざまな原因がありますし、いくつかの種類の難聴があります。ひどく聞き取りにくくなったり、完全に耳が聞こえなくなったりする難聴の方は、実はごく一部です。多くの方は、ある特定の環境(騒がしい場所等)で聞こえにくい、あるいは特定の音(女性の声や子音、鳥のさえずり等)が聞こえにくくなります。このような症状の方は、静かな環境でのはっきりした会話は問題なく聞き取れたりしますので、「自分の聞こえは問題ない」と考えてしまうこともあるでしょう。
また、加齢による難聴の場合、徐々に聴力が低下していくことが多いため、難聴に気づかないまま生活を送り、いつの間にか大きな支障が出てしまうほど症状が進んでしまう、ということもよくあります。「隠れ難聴」という言葉もあるくらい、一部の難聴は隠れて見つかりにくいのです。
ホント??難聴は薬や手術、補聴器で治すことができる
薬などで治療することができるのは、一部の難聴だけです。難聴には程度や種類によって様々な症状がありますが、医学的に治療できるケースもあれば、そうでないケースもあります。感音性難聴の場合、音を聞き分けるための細胞(有毛細胞)が何らかの原因で損傷を受けてしまうと、治療しても聴力を元に戻すことができません。この細胞は、騒音、年齢、薬物や病気といった多くの要因によって損傷を受ける可能性があります。イヤホンから大音量で長時間音楽を聞くなど、日常的に大きな音を聞き続けると音を聞き分ける細胞はダメージを受け、結果的に難聴につながる原因となります。
難聴の兆候
難聴の原因や種類は異なっても、難聴の兆候は似ています。日常生活の中でよくある一般的な兆候について紹介します。
●友人たちとの集まりなどに参加した後に疲れを感じる
●会話が、特に複数人の会話が聞き取りにくい
●何度も聞き返したり、理解できるまで何度も説明を求めたりすることがある
●テレビや音楽などの音量が大きいと指摘される
●パーティー、集まり、騒がしいレストランを避けてしまう
●女性や子供など、特定の人の声が聞き取りにくい
●「7時」を「1時」と聞き間違えるように、特定の単語を他と聞き間違えることがある
●騒音や人の声にイライラしたりストレスを感じたり、圧倒されたりする
これらの症状を自覚している場合は、聴力低下の可能性があります。できるだけ早く聴力検査を受けることをおすすめします。
難聴は思っている以上に生活に影響する
難聴は単なる聞こえの問題ではなく、コミュニケーション、生活の質(QOL)や健康にも影響を与えます。そのために、難聴を見逃さないように定期的な聴力検査を習慣化したほうが良いでしょう。難聴を自覚した場合は、耳鼻咽喉科の医者に診断してもらい、早めに対策しましょう。