補聴器でなぜ「風雑音」が発生するの?もっと快適に補聴器を使うための「風雑音抑制機能」とは?

カラオケでマイクに息を吹きかけると「ボーボー」と音がするのを体験したことあるのではないでしょうか?これと同じようなことが補聴器でも発生するということを、ご存じですか?補聴器も、音を集めるためにマイクを搭載しています。屋外で使用する時、強い風が補聴器のマイクに当たると、雑音が発生して不快な音が出てしまうことがあるのです。これを「風雑音」と言います。この風雑音はなぜ発生するのでしょうか。最近の補聴器に搭載されている「風雑音抑制機能」は、何をしてくれるのでしょうか。

風雑音はなぜ発生するのか

風雑音(風切り音)は空気の流れによって発生する騒音のことです。流れが速い空気が物体に当たって気流に乱れが生じ、空気の渦「カルマン渦」を発生させます。この渦によって空気の圧力が変化し、空気が振動して音が発生するのです。ちょっと分かりづらいですが、すきま風の音、竹刀等を速く振ったときの音、縄跳びの紐を速く回したときの音も、同じ原理で発生しています。


この風雑音、そんなに聞き心地がいい音とは言えないですよね。ところが風が補聴器のマイクに当たった場合、この風雑音が補聴器によってさらに大きく増幅されて耳に届けられ、とても不快な音になってしまいます。一昔前まで、「風がある時は、うるさいから補聴器を外してしまうんだよ」という方もいました。風の強い時の会話は、風で音声が流されてしまう上、風雑音が発生するので、補聴器ユーザーにとってはかなり聞き取りが難しい環境でした。

補聴器の風雑音抑制機能

幸いなことに技術の進歩により、補聴器は風雑音の発生を検知して抑制することができるようになりました。それが「風雑音抑制機能」です。

いまのデジタル補聴器は、マイクが拾った音をいくつかのブロック(チャンネル)に分割し、特定の種類や高さの音をそれぞれ別に処理できるようになりました。会話はしっかり聞こえるように大きくし、雑音は気にならない程度の小ささに抑えるなど、さまざまな工夫ができるようになったのです。雑音を抑える「雑音抑制機能」の中でも、風雑音に特化したのが「風雑音抑制機能」で、一部のハイクラス補聴器に搭載されています。風雑音は、普通の会話の音とは異なる特徴があるため、補聴器内蔵のプロセッサーが「これは風雑音だから、大きくしないでおこう」と認識して、抑制することができるのです。

風雑音抑制機能の活躍するシーンは?

風がある環境で仕事している方、外出が多い方、あるいはアウトドアスポーツを趣味にしている方は、この機能が搭載されている器種を選ぶことをおすすめします。


趣味の場合、例えば、散歩、ジョギング、登山、魚釣り、ゴルフ等に行く場合、屋外の強い風を当たることが多いと思います。仲間と交流しながら楽しむ活動なので、風があってもしっかり聞き取りたいですね。

また、サイクリングやバイク等の趣味も、必ず強い風に当たりますし、補聴器をつけないと周囲の交通状況が把握しにくくなりますので、安全のためにも風雑音抑制機能搭載の器種を選んでください。

搭載されてる器種とクラス

シグニアの多くの補聴器は性能や搭載機能により、5つのクラスに分けられています。2、3、5、7クラスの補聴器はこの「風雑音抑制機能」を搭載しており、クラスが高いほど、より細やかに風の雑音を処理できます。

シグニアのイヤフォン型補聴器Signia Activeの場合、2つあるクラスのうち、「Pro」と呼ばれるハイエンドモデルに「eウィンドスクリーン」の機能が搭載されており、これが風雑音を抑制する機能です。

補聴器を検討するときは、なるべく上のクラスを使うことをお勧めしています。それは、風雑音抑制機能の搭載の有無だけではなく、どれだけきめ細かく音を処理できるかに関わるからです。

例えば、1クラスはマイクが拾ってきた音を16ブロック、つまり16チャンネルに分割して処理しますが、7クラスは48チャンネルに分割します。写真などの解像度は高ければ高いほどきれいな画像に見えるのと同様、補聴器の音もチャンネルが多いほど自然にきれいに聞こえます。

補聴器のチャンネルについて詳細はこちら

シグニアの最新Signia AXシリーズではさらに強力に働く

さらに、シグニア補聴器の最新シリーズ、Signia AXでは、この風雑音抑制機能がより強力に働きます。Signia AXシリーズは、言葉と環境音を分けて処理する2つのプロセッサーを搭載した補聴器です。環境音を処理するのに1つのプロセッサーがまるまる使われているので、風雑音の認識精度がより高く、処理が早いのです。


Signia AXシリーズのラインナップはこちら

風雑音抑制が必要かどうか迷っている人は、補聴器販売店で異なるクラスの補聴器を聞き比べてみてください。店頭で試してみるだけではなく、ぜひ風がある場所でも使ってみてください。

シグニア補聴器の取扱販売店では、補聴器お試しレンタルを実施しているお店もあります。店頭で希望の機能を伝えたら、その機能搭載のクラスの補聴器を2週間ほど自宅や職場等で試聴できます。レンタル中にお店に行って、クラスを変えてもらって聞き比べることもできます。ぜひ風雑音抑制の効果を確かめてください。

2週間レンタル実施中の販売店紹介はこちら

 

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