補聴器って何歳くらいから使うの? 

加齢性難聴は年を重ねるにつれ、誰でも起こりうるものです。聴力の衰えや補聴器の着用は高齢者の問題だというイメージがありますが、実は30代からすでに聴力の低下が始まっていると言われています。では日本において難聴の方は、だいたい何歳から補聴器をつけているのでしょうか。2022年の最新調査データをみてみましょう。

補聴器を必要と感じるのは何歳くらい?

日本補聴器工業会が定期的に、日本国内の難聴や補聴器に関する大規模な実態調査を実施しています。最新の2022年の調査結果(JapanTrak 2022)によると、65歳~74歳人口の難聴者比率(難聴またはおそらく難聴だと思っている人の割合)は約15%です。55歳~64歳の約9%から大きく増加していることが分かりました。諸先進国では数字に少し差異がありますが、どの国も大きな違いはありません。つまり、国に関わらず65歳前後から多くの人が難聴に気付いているのです。

60歳代後半から難聴を実感する人が多いですが、難聴の進行は個人差があります。補聴器を装用すべきかどうかは、年齢で判断するのではなく、生活に影響が出始めたなら我慢せずに対策を検討すべきです。日常生活の中で聞きづらさを感じれば、耳鼻咽喉科で聴力検査を受けましょう。補聴器が役に立つと判断されれば、そのタイミングで補聴器を装用し始めるのがおすすめです。

日本における補聴器装用の実態

しかし、日本では諸先進国に比べて、難聴者が補聴器をつけている比率はとても低いのです。
2022年日本の難聴人口に対しての補聴器普及率は15.2%。2018年に比べると微増していますが、難聴者の6~7人のなか、1人しか補聴器をつけていないのです。
一方、ヨーロッパの代表的な国の普及率は、イギリス:52.8%、ドイツ:41.1%、フランス:45.7%、デンマーク:55.4%となっています。半分以上の難聴者が補聴器をつけている国もありますね。この大きな差の原因は、補聴器に対する意識や補聴器の販売制度、福祉制度の整備の違い等が考えられます。

 

補聴器を初めてつけるまで

2022年の調査結果ではよい傾向も出ています。日本では「難聴に気づいてから補聴器を購入するまでに平均2~3年がかかる」という結果になりました。2018年の調査では、平均4~6年と、もっと長かったのです。補聴器が「年寄りくさい」等、装用するまでに心理的ハードルがあったのかもしれませんね。

最近、難聴自覚~補聴器装用までの平均時間が短くなったことは、補聴器に対する意識が変化し始め、「より若々しく過ごすためのツール」と認識している人が多くなったことを示唆しています。

難聴に気がついたら早い対処を

日本の難聴者が補聴器をつけない理由として、調査では「まだ難聴がそれほどひどくない」といったような回答が多く見られました。しかし「まだ若い、まだなんとなく聞こえる」と思い補聴器をつけないまま時間が経ち、聞く力を一層低下させてしまうケースが多くあります。聞こえに不安を感じたら、できるだけ早く対処することをお勧めしています。

実際日本の調査では、補聴器所有者の内51%が「もっと早く補聴器を使用していればよかった」と思っています。その最大の理由は、「より快適な社会生活が送れたのではないかと思っている」からです。また、仕事を持っている補聴器所有者の90%は、「補聴器が仕事上で役に立っている」と考えています。やはり、聞こえを改善し、コミュニケーションや仕事をより円滑にするには補聴器が有効であると多くの方が考えています。

補聴器の早期装用が良いとされている理由

定期的に聴力検査をしましょう

一般的に、加齢による難聴は何年もかけてゆっくりと症状が進んで行きます。難聴者自身は、自分の聞こえが低下していることになかなか気付くことができません。多くの場合、家族や友人、同僚が、本人より先に気づきます。特に難聴の自覚が多くなる60歳後半、お仕事での健康診断を受ける機会がない方は、定期的に耳鼻咽喉科で聴力検査を受けることをおすすめします。

聴力の衰えにはいくつかのサインがあります。電話で何度も同じことを聞き返したり、テレビの音量が大きすぎると家族に言われたり、レストランや騒々しい場所で周りの人との会話を聞き逃したりすることはありませんか。気になる症状があれば、まず耳鼻科の医師に診察してもらい、補聴器が役に立つ場合、ぜひ補聴器販売店まで足を運んで相談してみましょう。

健康診断の聴力検査と耳鼻咽喉科の聴力検査の違い

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