
補聴器って何歳くらいから使うの?
加齢性難聴は年を重ねるにつれ、誰でも起こりうるものです。聴力の衰えや補聴器の着用は高齢者の問題だというイメージがありますが、実は30代からすでに聴力の低下が始まっていると言われています。
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補聴器について
聞こえについて
補聴器を必要と感じるのは何歳くらい?普及率は?
日本補聴器工業会が定期的に、日本国内の難聴や補聴器に関する大規模な実態調査を実施しています。最新の2018年の調査結果によると、65歳~74歳人口の難聴者比率(難聴またはおそらく難聴だと思っている人の割合)は約18%です。55歳~64歳の約9%から倍近く増加していることが分かりました。諸先進国では数字に少し差異がありますが、同じような傾向が見られます。つまり、国に関わらず65歳前後から約5人の中に1人が難聴に気付いているのです。
また、日本の難聴人口に対しての補聴器普及率は13.5%です。一方、諸先進国の普及率は、イギリス:42.4%、ドイツ:34.9%、フランス:34.1%、アメリカ:30.2%となっています。諸先進国に比べて、日本の難聴者は補聴器をつけている比率はとても低いのです。
補聴器を初めてつけるまで
日本では、65歳を超えると難聴者の比率が上がりますが、 補聴器所有者の比率が上がるのは75歳を超えてからです。つまり、多くの方は難聴に気づいても、それに不便を感じていても、補聴器を装用するまでに心理的ハードルがあるのかもしれませんね。
他のデータもそれを証明しています。日本では難聴に気づいてから補聴器を購入するまでに平均4~6年がかかります。ドイツの場合は平均2年です。日本では装用に至るまで諸先進国と比べて時間がとても長いのです。
難聴に気がついたら早い対処を
日本の難聴者が補聴器をつけない理由として、調査では「まだ難聴がそれほどひどくない」といったような回答が多く見られました。しかし「まだ若い、まだなんとなく聞こえる」と思い補聴器をつけないまま時間が経ち、聞く力を一層低下させてしまうケースが多くあります。聞こえに不安を感じたら、できるだけ早く対処することをお勧めしています。
実際日本の調査では、補聴器所有者の内54%が「もっと早く補聴器を使用していればよかった」と思っています。その最大の理由は、「より快適な社会生活が送れたのではないかと思っている」からです。また、仕事を持っている補聴器所有者の93%は、「補聴器が仕事上で役に立っている」と考えています。やはり、聞こえを改善し、コミュニケーションや仕事をより円滑にするには補聴器が有効であると多くの方が考えています。
一般的に、加齢による難聴は何年もかけてゆっくりと症状が進んで行きます。難聴者自身は自分の聞こえが低下していることになかなか気付くことができません。多くの場合、家族や友人、同僚が、本人より先に気づきます。
聴力の衰えにはいくつかのサインがあります。電話で何度も同じことを聞き返したり、テレビの音量が大きすぎると家族に言われたり、レストランや騒々しい場所で周りの人との会話を聞き逃したりすることはありませんか。
難聴の進行は個人差がありますので、補聴器を装用すべきかどうかは、年齢で判断するのではなく、生活に影響が出始めたなら我慢せずに対策を検討しましょう。気になる症状があれば、まず耳鼻科の医師に診察してもらい、補聴器が役に立つ場合、ぜひ補聴器販売店まで足を運んで相談してみましょう。