To blog overview

ご存知ですか?オンライン化に潜む「イヤフォン難聴」の危険性と正しいイヤフォンの使い方ガイド

あなたのイヤフォン習慣、大丈夫ですか?通勤中、運動中、寝る前——1日に何時間イヤフォンを使っていますか?総務省の調査※では、日本人の70%がイヤフォンやヘッドフォンを利用し、特に20代では90%近くが「毎日使用」と回答しています。しかし、その便利さの裏に潜むのが「イヤフォン難聴」のリスク。一度失った聴力は二度と戻らないことを知っていますか?今回は、今日から実践できる「耳を守るイヤフォンの正しい使い方」を徹底解説します。

 

「イヤフォン難聴」とは?

「イヤフォン難聴」というのは、読んで字のごとく、イヤフォンが原因で発症する難聴のことです。

イヤフォンやヘッドホンで大きな音を長時間聴き続けると、

●聞こえにくくなる

●耳鳴りがする

●耳が詰まった感じがする

といった症状が現れることがあります。これが「イヤフォン難聴(ヘッドフォン難聴)」です。

 

「イヤフォンは大音量で長時間使うと危険」ということは、ある程度知られています。実際、2024年の調査では、57%の人が「イヤフォン難聴という名前を聞いたことがある」と答えています※。

 

イヤフォン難聴の本当の怖さは「一度失った聴力は元通りに回復することが難しい」ということです。「自分は大丈夫だ」と思っている間に、耳へのダメージは蓄積され、気づいた時に難聴になってしまうケースも少なくないです。一旦難聴になるとその回復は難しく、根本的な治療薬もまだありません。ではイヤフォンやヘッドフォンを使って音楽を楽しむことを諦めるしかないでしょうか。いいえ、適切な使い方で難聴のリスクを避けることができます。

 

※クロスマーケティング「耳に関する調査」(2024年3月、全国20~79歳男女2,400名対象)

 


「イヤフォン難聴」は「感音性難聴」という難聴の一種です。
耳の中には音を分析するための専用の細胞、「有毛細胞」というものがあります。この図で「蝸牛(かぎゅう)」と書かれている部分の中に並んでいます。この細胞が音を感じ取って脳に伝えることで、私たちは初めて「聞こえる」と感じるのです。
大きな音を長時間聞くと、この有毛細胞が劣化してしまいます。有毛細胞は一度傷つくと再生することはありません。イヤフォンやヘッドフォンは耳のすぐそばで音が出ます。長時間使用することが多く、また知らない間に大音量になっていることがあるので、気づかないうちに有毛細胞を傷つけてしまい、難聴になってしまうのです。

 

感音性難聴について

「イヤフォン難聴」の予防対策

■イヤフォンの正しい使い方
多くの人は「イヤフォン難聴」を知っているけど…でも、正しい使い方とは?厚生労働省が提唱している正しいイヤフォンの使い方は下記の通りです:
● 可能な限り音量を小さくしよう
● 音量と視聴時間をモニターして、長時間の使用を避けよう
● 少なくとも、1時間に1回、10分程度は耳を休めよう

WHO(世界保健機関)の推奨する音量は、大人は80dB以下、子供は75dB以下で、1週間に最大40時間です。「●●dB」といわれても、どれぐらいの音量なのか、なかなかイメージできないですよね。安全の目安として静かな場所で周りの会話が聞こえる程度の音量、または音楽デバイスの最大音量の60%以下とされています。

■スマートフォンの音量制限機能の活用
通勤や通学時間に、スマートフォンの音楽等をストリーミングしてイヤフォンで楽しんでいる方も多いと思いますが、電車内はうるさいので、知らず知らずのうちに音量を上げていませんか?そんな方のために、スマホの音量を自動で安全範囲に保つ方法を紹介します。簡単な設定で難聴リスクを減らしましょう!

●iPhone(iOS)の場合、「音量制限」設定があります:
設定アプリ → サウンドと触覚 → ヘッドフォン安全性 → 音量を下げる
▶「85dB」を超えないように調整(WHO推奨の安全基準)
▶イヤフォン使用時の週間音量レポートも確認可能(ヘルスケアアプリ内)
詳細はAppleサポートページへ

●Androidスマートフォンの場合、「メディア音量制限」が使用できます:
設定 → サウンドとバイブレーション → 音量 → メディア音量制限をON
▶「85dB」を超えないように調整(WHO推奨の安全基準)

※Andriodスマートフォンの場合、機種によって設定場所が異なることがあります(例:Samsungは「サウンドアシスタント」、Xperiaは「オーディオ設定」など)具体的にはメーカーにご確認ください。

■音量制限以外の対策

1. ノイズキャンセリング機能の活用
周囲の騒音をカットしたら小さい音量でもクリアに聞けます。電車内やカフェなど騒がしい環境で特に有効なので、耳への負担が減らせます
※騒音を完全に遮断するため、歩行中の使用は交通事故リスクに注意

2. 耳に優しいイヤフォン選び
遮音性の高いイヤフォンを選ぶと、外部の騒音の侵入を防ぎ、無理に音量を上げないですみます

3. 「耳休めデー」を作る
「音楽を聴かず、耳栓で静かに過ごす日」を設定して、特に通勤中や就寝前は、自然音や無音環境で耳を回復させましょう。

4. 定期的な聴力チェック
【セルフチェック】
オンラインの簡単聞こえチェックツールを利用して何カ月に1回セルフチェックしましょう。
【聴力検査】
年に1回は耳鼻咽喉科で精密検査を受けるようにしましょう。会社の健康診断の機会を活用しても良いです。自覚症状がなくても、早期発見が重要ですので、ぜひ定期的に聴力検査を受けてください。

5. 異常を感じたら即停止!
大きな音にさらされた場合、耳鳴り・耳の詰まり・聞こえにくさを感じたら、即座にイヤフォンの使用を中止して耳を休ませてください。2~3日安静にしても改善しなければ医療機関を受診しましょう。

 その時は、イヤフォンやヘッドフォンをどのくらい使っているかを先生にお話しするといいでしょう。

 オンライン化が進む中、ますます使用頻度が上がるイヤフォンやヘッドフォン。便利なものですし、ファッションの一部にもなっていますから、楽しみながらも安全に使いこなしたいものですね。

オンラインの聞こえチェック

トップへ