補聴器の故障を減らすには?補聴器の毎日のお手入れが大事
夏の終わりから秋のはじめにかけて、補聴器の故障が多くなります。補聴器は、耳あかや汗が思った以上に付着し、それが原因で壊れることがあります。補聴器を良い状態でより長くお使いいただくため、毎日使い終わった後にお手入れすることをお勧めします。毎日ご自宅でできるお手入れの方法を、写真を使って分かりやすくご紹介します。
いろいろなタイプの補聴器に共通するお手入れ
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耳垢の掃除
補聴器の音の出口には耳垢の侵入を防ぐネットのようなプロテクター(クリネット、ワックスガード等と呼ばれているもの)がついています。掃除機のフィルターと同じで、ここに耳垢などの汚れがたまって、詰まってしまうことがあります。そうすると、補聴器から出る音が小さくなってしまったり、補聴器が壊れてしまったりすることもあります。ですので、毎日専用のブラシで音の出口についている耳垢を優しく落とすことをお勧めします。
また補聴器の本体についている汚れも毎日ふき取ってください。補聴器を清潔ではない状態で耳に入れると、耳の中の皮膚が刺激され、耳垢が蓄積しやすく、補器が詰まりやすくなる可能性がありますので、きれいな状態を保ちましょう。耳垢の掃除は下記の図に示されている手順と方法で行ってください。
既製耳あな型のSilk Charge&Go IXや、イヤフォン型のSginia Activeという器種は、耳かけ型・RIC型と同じく耳せんを使用していますので、掃除は耳かけ型補聴器のお手入れ方法を参考にしてください。
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補聴器の乾燥
補聴器は精密機械ですから、水分に弱いものです。水分は補聴器内部の精密機器に影響を与えたり、腐食を引き起こしたりする可能性があります。
耳かけ型補聴器の場合は、耳せんと本体をつなぐチューブに水滴が発生して、音が聞こえづらくなることも。特に湿度の高い梅雨の季節や、結露しやすい冬は、しっかり補聴器を乾燥させる必要があります。
就寝時など補聴器を使わない時は、毎回補聴器を乾燥カップや補聴器乾燥機に入れてください。
①補聴器専用の乾燥ケースを利用する場合
乾燥カップは下記写真のような乾燥剤が入っているカップで、蓋には電池を貼るマグネットステッカーがついています。電池式補聴器をご利用の方は電池寿命に影響を与えないよう、補聴器を乾燥カップに入れる前に、電池を取り出す必要があります。小さな電池の紛失や子供やペットによる誤飲を防ぐために、毎日電池を取り出したら必ずマグネットステッカーに貼って、適切な場所に収納してください。
②補聴器乾燥機を利用する場合
乾燥カップよりおすすめなのは、補聴器専用の乾燥機です。電気を使う機械なのでシリカゲルよりも短時間かつ強力に乾燥を行います。乾燥剤購入・交換の手間やコストがないのも大きなメリットです。補聴器乾燥機にはUV除菌機能がついているものもありますので、毎日少しの時間で除菌でき、補聴器をより清潔に使っていただくことができます。シグニアは2種類の補聴器用除菌・乾燥機を提供しています。
●充電式補聴器をご使用の方は「ドライキャップUV2.1」がおすすめ
充電式補聴器をご使用の方は、「充電してたら乾燥機に入れるのを忘れた」、またはその逆で不便を感じることもあるでしょう。「ドライキャップUV2.1」ならその悩みを解消できます。縦横約12㎝の特大サイズで、シグニアのほぼ全ての充電器種は充電器ごと中に入れることができます。毎晩補聴器を充電器に入れて、ドライキャップUV2.1をかぶせると、朝には乾燥・充電・除菌ができているので、とても便利です。また補聴器だけでなく、様々なUV除菌可能な小物にも使えます。
●電池式補聴器をご使用の方はコンパクトな「パーフェクトドライラックス」
「ドライキャップUV2.1」よりも小さいサイズの「パーフェクトドライラックス」は、電池式補聴器を使用している方におすすめです。UV除菌に加えて、30分で乾燥できる急速ファン乾燥機能も付いています。お出かけ前や帰宅後のちょっとした時間でも使えます。
また、充電器そのものに乾燥機能が付いているものもあります。「ドライ&クリーン充電器」を選択できる補聴器を購入するときは、ぜひ検討してみてください。
充電式補聴器のお手入れ注意点
充電式補聴器を使用している方に特に気を付けていただきたいのは、電気端子の掃除です。充電器および補聴器の電気端子に汗や汚れが蓄積すると、通電不良や故障の原因になります。毎日乾いた綿棒やティッシュを使って補聴器本体と充電器の電気端子を優しく拭いてください。
化粧品や日焼け止め、皮脂等が付着すると綿棒掃除だけでは落ちづらく、補聴器専用の「クリーニングシート」や、「クリーニングスプレー」の併用をお勧めします。クリーニング液をごく少量、綿棒の先端に湿らせて端子を拭いてください。
また、電気端子の掃除に次のものは使わないでください。
●一般的なウェットティッシュ
(水分が多くサビの原因になります)
●高濃度アルコール ・シ ンナー ・ベ ンジン
( 塗装や補聴器本体を溶かしたり変形させます)
電気端子のお手入れ方法は下記動画でもわかりやすく紹介していますので、ぜひご確認ください。
難聴の方にとって補聴器は毎日の生活に欠かすことのできない大切なパートナーです。補聴器を良い状態に保つには、毎日のお手入れがポイントとなります。丁寧にお手入れして、大切に使っていただくと、補聴器は長く活躍し続けることができるでしょう。
ご自宅では難しい細かい部分の掃除は、無理せず定期的に補聴器を購入したお店に行って、特別な器械でお手入れしていただくこともお勧めします。耳せんは老化し定期的な交換が必要ですので、購入した販売店に相談してみてください。
また、耳のケアをすれば、補聴器の掃除がずっと簡単になりますので、ぜひ参考にしてください。